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MIOびわこ草津vsアルテ高崎

変則日程により、ジェフリザとMIOだけ29日に第8節です。おかげで何とか試合前にはレポをあげれそう・・・ってかなりギリギリなんですけど。
・・・すいません、画像追加はGW明けになりそうです。スケジュールの積極的なプレスに全てが後手後手になってます。

流通経済大学戦後、MIO選手の表情は明らかに疲労と報われない状況に自信を曇らせていた。
週明けの練習では、比較的明るい様子も垣間見えた。それは久しぶりのホームがアルテであるための状態であることは感じ取れた。

昨シーズン、日本で一番過酷な大会といっても過言ではない地域決勝の最終日が行われている熊谷からそう遠くない高崎で、JFL最終節アルテ高崎対FC岐阜が開催されていた。
アルテが負ければ、岐阜がJ参入条件である4位以内に入るためアルテは自動残留となり、アルテが勝てば岐阜のJ参入条件が揃わない為、入れ替え戦となる。そうなれば、地域決勝を3位で終えることとなったMi-Oはアルテと入れ替え戦を戦わなければならない。そのMi-Oを率いているのは、岐阜をJFLまで導いた戸塚氏である。
様々な要件が絡んで生まれた「負ければ安泰」の状況は、勝ち点差が実力差となって現れることとなる。
前半20分に岐阜MF小島のゴールが決まった報が熊谷にも伝わってくるとMi-Oの昇格はほぼ決定づけられたと思えた。そして駄目押しとなる2点目を決めたのが現MIOの監督となる平岡直起であり、週明けに岐阜はJ参入を決め、Mi-OはJFLに昇格した。
アルテの立ち位置を分かりすぎてるせいか、そのアルテに対して、万が一の事態が起こったとき、選手そして監督のプライドはどうなるのか、背後から鋭利なものを突きつけられたような思いを抱きながら久しぶりにホーム湖南市民グランドに足を運んだ。

設置された看板に示されたスターティングメンバーを見て、違和感を感じた。
久しぶりに大瀧の名前を見たからではなく、明らかにいつもと違ってDFの数が足りなかった。壽を下げてサイドバック起用かとも思ってみたがキックオフ直前に彼が立っていた位置は高い場所にあった。
石澤、東秀、大瀧が並ぶDFラインは今までMIOが戦ってきた4バックではなく、3バックであった。DFが一人居るか居ないかの違いだが違和感はそれ以上のものがあった。
監督が何故最終的に3バックで試合を開始したのは分からない。確かに2月に行ったサンガユースとのTMで見せた石澤、田尾、波夛野の組み合わせに比べて、足元のテクニックの差か、それなりに「試合をしよう」としている意識は見えるためGOサインを出したのかも知れないが、サランラップのように薄いDFラインはいとも簡単にずれていってしまう。底が安定しない器はいつまで経っても安定を見せることはない。

危惧していたことが起こったのは前半28分。ボールをクリアしようと飛び上がった東秀のプレイがペナルティエリア内でのファールとされてアルテにPKが与えられることとなる。
「誤審」であると抗議するが、いったん下された審判の判断が覆ることを観たことはない。与えられたチャンスをアルテはきちんと自分たちのものにし、アルテが先制ゴールを決めることとなる。

追いかける立場となったMIOは、「まずは追いつこう」とボールを必死に前に運ぶがほんの数メートルの誤差が続いてうまく繋がらない。
彼らが作成しようとしている試合という名のパズルは、完成予想図は美女が描かれたものであろうが、揃えたピースの色が違いすぎて、形は合えども最終的に出来上がった絵は、配色バランスの悪くお世辞にも観れるものではなかった。

結局前半の間に追いつくことは出来ず、「このままで大丈夫なのか」という空気が流れたままハーフタイムをすごすことになる。
地元の少女たちで結成されたダンスチームの発表もあったが微妙な空気の流れは変わらない。
ハーフタイム終了直前、4月に入ってからリザーブメンバーに入っていた桝田がユニフォームに腕を通す。ピッチに戻ってくる選手達の顔を確認し、ボランチの位置に居た田中大輔との交代であることが分かった。
レンズ越しに見える桝田の表情は、試合出場への意気込みを語っていた時に比べて、不安の色のほうが強く見えた。だがシーズン前「全試合に出場したいんです」と口にしながらも思うように回復しない右ひざへの焦りも垣間見えていた彼が入ることにより、MIOの布陣は本来の4バックに戻る。
まずは追いつくことが先決と、後半は積極的にFW陣がボールに向かっていくのが感じ取られた。そして、幸山がペナルティエリアで相手DFに後ろから倒されたということでPKが与えられる。
最初は冨田がボールをセットしていたが、キッカーは東秀であった。だがMIOの折角のチャンスは高崎のGK岡田のセーブにより阻まれ、なおも弾かれたボールに詰め寄るが結局決めきれずに終わってしまう。
その後もチャンスを自分たちのものにしようと果敢に攻め上がっていくが、1年近く手にしていない勝利を物にするための高崎の選手たちの必死なプレイに阻まれる。
だが、MIOも必死だった
PKを与え、PKを外してしまった東秀が出したパスを受けた内林がゴール前にアタックをかけ、それを押し込んだのは桝田であった。
地域リーグ時代、戸塚監督に「守備をしろ」と言われ、上がりたくても上がることが出来ずフラストレーションを溜めていた鎖が外されたかのように右足を振り抜いた。
しかし、喜びを表現することなく、一つ仕事を終えた桝田はゴール前で動けずに居る高崎の選手たちの間を縫ってボールを拾い上げると所定の位置に戻す。
一歩進んだのではなく、スタートに戻っただけであることを再認識するとここからMIOの反撃が始まるのではないかと予想したくなった。
追加点を奪うため、幸山から安部が久しぶりにピッチにその姿を見せ、高崎の今井が2枚目のイエローカードにより、退場したこともありMIO側にはどこか安堵もあったのかもしれない。
この日一番声を出していたのは、ピッチ内の選手でも、サポーターでもなく、高崎の控えGKであった。その彼がアップのため声を出すことがなくなった状況は晴天の下、小鳥のさえずりが聞こえるくらい静かでのどかな空気が流れ、ボールが蹴り上げられる音が響く。「のどかだな」とつぶやいてしまった状況で追加点を上げたのは高崎であった。MIOのDF陣は切り裂かれたということではなく、お互い声を出せないことにより全てが曖昧になり、ゴールを奪われた。
3ゴールを奪っても、結局勝ち点を取れなかった前節のいやな記憶が蘇る。
MIOの選手たちにも焦りが見れる。傍目から見るとそれは「高崎に勝ちたい」というよりも「高崎ごときに勝てない自分たちに対する苛立ちと焦り」という自分自身の中での戦いで既に負けていたのかもしれない。

彼らのスイッチが入ったことが見えたのは、主将東秀の交代が告げられて浦島がピッチに入った後半88分過ぎてからのことだった。
東秀の腕に巻かれていたキャプテンマークが若林を経由して石澤の腕に巻かれる。本人が意識していたのか分からないが、石澤の声を岡山以来聞いたような気がする。
大きな手振りにより指示も見えると、ようやくゴールまでの道筋が見えてくる。DFラインはボールを持ったら単純に蹴り上げて前線に出すのではなく、一旦若林や冨田を経由させることにより壽や内林、そしてサイドバックの桝田、浦島も高く攻め込んでいく。

アディショナルタイムは4分と提示されていただが、中々試合終了の笛が鳴る気配はない。
MIOのセットプレーが繰り返され、ゴール前で激しい争いが繰り広げられる。
倒れた高崎のキーパーにも激しいいらだちは見せることなく、時計が止められていた状態で彼らが見ていたのはゴールだけであった。
そして、その瞬間が訪れる。試合が再開された後、桝田が出したパスに頭で合わせたのは数分前にピッチに立った浦島である。
まるでスローモーションのように浦島が頭で合わせたボールは弧を描き、ゆっくりと落ちていく。振り返るも動けない高崎のキーパー、止めようと遠い距離からと必死な高崎DF・・・だが先にゴールにたどり着いたのは浦島が触れたボールのほうであった

まるで勝利したかのように一気に劇的な風景に変わった。30秒前まで「このまま負けたら監督、選手にどのような罵声が投げかけられるのか、最初に3バックを採用した監督と選手の間に生まれるもの感情はどのようなものになり、それがどのように転がっていくのか」と悩んでいたのが嘘のようである。
けれども、勝利したわけではなく、必死になっても手にすることが出来たのは結局勝ち点1でしかなかったというのは、試合終了後の挨拶時に見せた彼らの表情で再認識させられた。

勝ってほしいというのは、常に心にはある
ファジアーノ戦、流通経済大学戦と自滅とも言える試合展開に、選手、スタッフらが移動による疲労だけでなく自信を失いつつあるのも見えていたような気がしたまま過ごしていた。
そして格下と思っていただろうアルテに対して思わぬ苦戦に対して、「これでよかったのかもしれない」と思う自分が居る
MIOに足りないものを手に入れるため、何が必要なのかそれがどれだけ苦しい道のりなのか再認識させられた
殆どの選手がアマチュア契約のため、仕事をしながら、全国で闘わなければならない。
スポンサーもまだ多くないため、少しでも経費を抑えなければならない必要があるのは、遠方アウェーの控えGKが山本剛ではなく、中村がコーチ兼選手で登録されていることから明らかだ。
それでもスタッフは頭をひねり、彼らが戦う気持ちに向かうため小さなことから努力している。
それに答えるため、メンバーに選ばれた選手は闘志を見せなければならないし、メンバー外となった選手は準備、片付けもしながら練習でアピールもしなければならない
負担を減らすためには、お金、人、施設・・・いろいろ課題はある
だが結局は勝たなければ、それらを手にすることは出来ない
サポーター、ファンがどれだけ努力しても、勝つことに直接は結びつけられない
選手たちには改めて何をするべきか、他のチームよりも少し長いインターバルに一瞬でも考えてほしいというのを選手のクールダウンを見つめる監督を横目で観察しながら後片付けに入った
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MIOびわこ滋賀 | permalink | comments (0) | trackbacks (0)

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